2016年6月13日月曜日

大学に行けてよかったと思えること(論文について)


昨今の時事問題に触れる力はないのですが、ひとつだけ、大学に行けてこれはよかった!と思えることを書いてみます。


大学(+院)では、いろいろなことを学びましたが、ここで書きたいのは「論文」を書く経験ができてよかった、ということです。そのなかでもさらに、「わかりやすい、平易な言葉で、ひとに伝わる文章を書く方法を身につけられた」ということ。

論文というと、学術的で、ゆえに専門的で、小難しくて、素人にはちんぷんかんぷん…だけど、なんかえらくて、重要なことが書いてある、というイメージをもたれる方も多いのでは、と思います。そうでもないのです。

たしかに、論文と言っても多様でしょうが、僕が人文学のなかで学んだことは、「専門外のひとが、一読して、要点を押さえられるような文章を書く」ことの大切さです。

はじめて論文へのステップを踏んだとき、僕の文章は、長ったらしかったり、独特な使い方の専門用語がいきなり組み込まれていたり、しました。それが理解されないことに、自分でも驚きました。当たり前のことや斬新なアイデアを書いているつもりで、よい文章だと思っていたものが、ひとには「わかりづらい」。

それは結局、ゼミでの発表や教官の指導を通して、また、「論文の書き方」の類の本を読むことで、多少なりとも解決されてゆきます。

「大学にゆく意義はなにか」というとき、就活のための学歴は置くとして、「論文を書く訓練をすること」はとても大きかったし、たぶん僕のような作家やライターでなくても、一般性のある能力として宝になりえる、と思います。

そして、この訓練ばかりは、「独学」ではなかなか難しいと思います。やはりお互いに読み合って批評し合う、他人の欠点に触れてわが振りを直す、プロの助言を受ける、等々がないと、難しい。

もっとも、書くことのうちで一番大事なのは「オリジナルな内容」であって、「書き方」ではない、という気持ちも強いのですが、ひととのかかわりを大切にするという点で、「書き方」も育んでゆきたいですね。