2014年9月2日火曜日

【ご報告】おしゃべりジャズナイト♪

2014.8.28. 19:30 - 21:30
トオンカフェ(札幌)

おしゃべりジャズナイト、初の開催です。BGMでジャズを聴きながら、初心者向けのレクチャーをする企画です。


冒頭、参加者のみなさんに自己紹介をお願いしたあと、トオンカフェ・マスターの中村さんからご挨拶をいただきました。中村さんはジャズを愛するひとです。

「ジャズは難しい音楽と思われやすいけれど、テーマやコード進行を理解することで馴染みやすくなる。楽しく耳を傾けてほしい」

というような言葉でした。

右が中村マスター
その後は、僕がメインで話しました。まずは、シャンソンの名曲「枯葉」の聴き比べ。

◆「枯葉」聴き比べ
 イヴ・モンタン「枯葉」(原曲)
  ビル・エヴァンス(p)「ポートレート・イン・ジャズ」より
   レッド・ガーランド・トリオ「ラストレコーディング2」より
    キャノンボール・アダレイほか「サムシン・エルス」より
     ビージー・アデール(p)「マイ・ピアノ・ジャーニー」より 

→ インプロヴィゼーション(即興演奏)がいろいろある。

 みなさんに好みを訊いたところ、ビル・エヴァンスのものは芸術性の側面から、ビージー・アデールのものは聴きやすさから、支持されていました。アデールは、1990年代後半に60歳を超えてブレイクした、イージーリスニングに近い感覚のジャズピアニスト。ほかは、20世紀半ばの伝統的なジャズプレイヤーですね。

レッド・ガーランド

◆ ジャズの歴史

発祥:20世紀初め、ニューオリンズにてジャズは誕生します。

20世紀初めのニューオリンズ

その後、中心地をシカゴ、カンザス・シティにもちながら、ついにニューヨークで流行を見せます。レコードの登場でヨーロッパからも注目を浴び、「音楽のジャンル」として確立されてくるのもこの時期。スイング全盛の1930年代です。

→ CD:「シング・シング・シング」(ベニー・グッドマン・オーケストラ)を聴く。

バップ:1940年代、不穏な社会情勢を背景に、天才アルト・サックス奏者、チャーリー・パーカーを屋台骨として「バップ(ビ・バップ)」の運動が起こります。コード進行をベースにしたアドリブ重視の「ホット」なジャズです。

→ CD:「ナウズ・ザ・タイム」(チャーリー・パーカー)
  CD:「ザ・シーン・チェンジズ」(バド・パウエル)を聴く。


クール:1950年代。ジャズの帝王と呼ばれるトランペッター、マイルス・デイヴィスが頭角を現します。西海岸でも、白人ジャズが盛んになりました。落ち着きのある「クール・ジャズ」。明るい響き、聴きやすいメロディーも増えます。

→ CD:「クールの誕生」(マイルス・デイヴィス九重奏団)
  CD:「タイム・アウト」(デイヴ・ブルーベック・カルテット)を聴く。


そして、1970年、マイルスの話題作「ビッチェズ・ブリュー」が炸裂。エレクトロニカとポリリズム(アフリカ由来)、フュージョン(ジャンル融合)を引き起こして、ジャズの歴史に大きな境界線を引いた、と言えます……。

というところで、「ジャズの歴史」のかんたんなレクチャーを終了。

最後に、20世紀前半のジャズの巨人、ルイ・アームストロングの歌う「星に願いを」を聴きました。CD「ディズニー・ソングス・ザ・サッチモ・ウェイ」より。


この後は、中村マスターが用意してくださったたくさんの資料をもとに、ジャズのCD解説書の見方(楽器、編成、トラックごとの演奏者、スタンダード・ナンバーと作曲者など)や歴史的なお話、ジャズに馴染んでゆくためのポイント(ベースに注意して聴くこと、一枚のCDを覚えるまで聴き込むこと、など)を教わりました。

博識を発揮するマスター
クラシック方面からの質問もあり、ジャズ好きからの質問もあり、マスターは丁寧に答えてくださいました。


歓談タイムに移り、マスターは和楽器を用いたジャズのBGMをかけてくださいました。面白かったですよ!

今回の企画は、ジャズ愛好家のマスター、中村さんがいなければ成り立ちませんでした。ほんとうにありがとうございます。そして、参加者のみなさま、FacebookやTwitterでシェア・リツイート、応援してくださったみなさまにも感謝をお伝えします。受付の内村さん、写真のYoshimotoさんも、いつもながらご協力ありがとうございました。

好評だったように思いますし、第二弾もいずれ企画したいものです。(^_^) その際は、またよろしくお願いいたします。

主催・文責 木村洋平

追記:参加者のおひとりが丁寧にメモをとり、きちんとまとめなおしてくださったブログ記事がこちら。ジャズの歴史の部分が、本稿よりこまやかに記されています。ありがとうございました!