2015年12月10日木曜日

雨と木曜日(67)

2015.12.10.


今回は、料理が得意になる話〜ボリビアの珈琲〜ウェルズの短編集。


ここしばらく料理に時間をかけている。食生活を改善しようと思ったことがきっかけで、あれこれとメニューを刷新して、栄養バランスのよい食事を作る。はじめのうちは試行錯誤でちぐはぐなこともしたが、いまは買い物もスムーズだし、食材は余らせてダメにすることもなく、メニューも冷蔵庫を開けて眺めれば、だいたい思いつくようになってきた。毎日のことだからこれは大切だ。「日曜日の男の凝った料理」はいまだに作れないが。

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ボリビアの珈琲豆をいただいた。ボリビアというのは聞いたことがない。珈琲を生産していたのか。ブラジルやコロンビアといった南米の国は大産地だが、これは面白い。と、思って何度か淹れてみた。酸味がストレートだ。よい珈琲には、よく「チェリー」や「ブルーベリー」のような香り、といった形容がなされるが、それらはある程度まで、酸味の抜け方のバリエーションだと思うのだが……これは、すーっと通るすっきりした酸味。新しい。

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光文社古典新訳のシリーズが好きで、文庫本の棚を歩く。ふっと手に取って、ぱらぱらめくり、面白そうなら買ってしまうことも。今回はH.G.ウェルズ。『タイムマシン』で有名なSF作家……らしいが、実はウェルズを読むのは初めて。ユーモラスな初期の短編集、という触れ込みで『盗まれた細菌/初めての飛行機』を入手。一読、短編の名手、それも短編が流行る先駆けだと思った。実際、そのあたりは解説に詳しい。文学史的にも楽しめた。


【書誌情報】
『盗まれた細菌/初めての飛行機』、ウェルズ、南條竹則訳、光文社、2010